新興国売上高2倍に、ダイキン、設備投資9割増、中期計画。

新興国売上高2倍に、ダイキン、設備投資9割増、中期計画。

 
 ダイキン工業は26日、2016年3月期の新興国の売上高を今期予想比2倍の3千億円に引き上げると発表した。16年3月期までの中期経営計画に盛り込んだ。インドやブラジルなどで家庭用エアコンの共通モデルを来年発売し、アジアではビル用空調機を強化する。
 中期計画では、16年3月期の連結売上高で2兆500億円(今期予想比16%増)、営業利益で1900億円(同36%増)を目指す。連結ベースの設備投資は3年間で2500億円と、過去3年に比べ9割強増やす。
 井上礼之会長兼最高経営責任者は記者会見で「社内では売上高で2兆2000億円、営業利益で2200億円を目標にしている」と話した。
 設備投資は主にインドでのエアコン取り外し増産、米国でのビル用空調機の新規生産に使う。井上会長は「ブラジルやメキシコでも工場の新設を検討している」と明らかにした。
 家庭用エアコンの新興国モデルは熱交換機など主要部品を共通化し、量産効果で価格を安く抑える。その一方で色や外装を地域ごとに作り分け、現地の需要を取り込む。東南アジアでは、部屋ごとに温度や風量を調整でき、省エネ性能が高い日本式の業務用エアコンを売り込む。
 中国ではエアコンの販売代理店を4割増の2万店に増やし、売上高を3700億円強と約2割増やす計画だ。

エアコン、旧モデルの下落鈍る、中古自動車、販売堅調で横ばい圏(価格定点観測)

エアコン、旧モデルの下落鈍る、中古自動車、販売堅調で横ばい圏(価格定点観測)

 
▽10畳クラス(単位千円)   11月下旬   10月中旬
CS-283CXR(パナソニック)   159.8~160.8   158~160.8
MSZ-ZW283(三菱電機)   166.4~168   169.8
RAS-281EDR(東芝ホームアプライアンス)   169.8   173.8~174.4
AN28PRS(ダイキン工業)   168~178   188
RAS-S28C(日立アプライアンス)   137.7~164.8   164.8~165.3
AY-C28SX(シャープ)   158~168   168
▽6畳クラス      
CS-223CXR(パナソニック)   135.8~155.8   135.8
MSZ-ZW223(三菱電機)   136.6   138
RAS-221EDR(東芝ホームアプライアンス)   138~148   148
AN22PRS(ダイキン工業)   148~158   168
 エアコン工事の店頭価格は10月と比べ下落したが、ペースは鈍ってきた。10畳クラスが16万円前後、6畳クラスは14万円前後で「現在の価格帯が従来モデルの底値」(量販店)とみられる。家電各社の新モデルが発売されたが、店頭価格は20万円台で、売れ筋はまだ割安な従来モデルだ。
 今後は引っ越した人の買い替えや消費増税前の駆け込み需要が伸びそうだという。「今冬は従来モデルが完売するタイミングが例年より早まる」(ヨドバシカメラ)との見方も出ている。
▽ミニバン(単位万円)   11月下旬   10月中旬
ステップワゴン 2.0G  Lパッケージ(ホンダ)   165~180   165~180
エルグランド 250ハイウェイスター  ブラックレザーナビエディション(日産自動車)   240~260   240~260
▽セダン      
プリウス S 1.8(トヨタ自動車)   160~180   160~180
▽コンパクトカー      
ヴィッツ 1.0 F(トヨタ自動車)   85~100   85~100
フィット 1.3 G(ホンダ)   92~107   92~107
▽軽自動車      
ワゴンR FX(スズキ)   80~95   80~95
▽輸入車      
メルセデス・ベンツEクラス E350アバンギャルド 3.5   400~450   400~450
VWゴルフ TSI  コンフォートライン   150~190   150~190
(注)ガリバーインターナショナル調べ、新車登録から3年後で状態良好な人気色の車両、走行距離は1年1万キロメートル前後      
 中古車の店頭価格は10月中旬と比べ「フィット」や「プリウス」などほとんどの車種で横ばいとなった。来春の消費税増税前の駆け込み需要などで新車と同様に中古車の販売も堅調なため、値引きが一服している。
 業者が中古車を仕入れるオークションの平均落札価格も高止まりしている。買い替えで下取りが増えているが、業者の仕入れ意欲は強い。買い替えのサイクルが縮小し、年式の新しめの中古車が目立つのもオークション価格が高止まりしている一因だ。
(注)価格は東京で調査。電気製品は秋葉原電気街、新宿、池袋など主要ターミナル駅周辺の量販店での表示価格。品目変更などにより比較できないときは「―」と表記

「白物」国内増産見送り、パナソニック、想定ほど円安進まず。

「白物」国内増産見送り、パナソニック、想定ほど円安進まず。

 
 パナソニックエアコンや冷蔵庫など白物家電の国内増産を見送る。1ドル=105円を超す円安を前提に、国内生産比率を3割から最大5割に引き上げる方向で検討していた。想定ほどの円安になっていないため、海外にある設備の国内移転などの計画を凍結する。
 増産計画は今年6月に表明し、滋賀県や群馬県などの工場では新しい設備を設置する場所を確保していた。だが現状の為替相場の水準では生産を国内に移す利点が薄いと最終判断。今後は海外工場から輸入する国内向け製品や基幹部品の量を減らし、円安による輸入採算の悪化を抑える。
 白物家電事業の2013年3月期の売上高は約8500億円。約350億円の営業利益を稼ぎ、赤字のテレビ事業や半導体事業などと比べて安定した収益源だった。大半が国内向けで、対ドルで1円の円安は年間で約11億円の減益要因になる。今期は主力のエアコン取り付けが中国での販売不振に見舞われており、国内外での販売底上げが課題となっている。

国内の10月、白物家電出荷額6.8%増。

国内の10月、白物家電出荷額6.8%増。

 
 ■国内の10月 日本電機工業会(JEMA)が29日に発表したエアコン取り付けや冷蔵庫などの白物家電の10月の国内出荷額は、前年同月比6・8%増の1531億4700万円だった。前年実績を上回るのは5カ月連続。暖房用にルームエアコンの販売が伸びたほか、消費増税を控えて食器洗い乾燥機や換気扇も好調を維持した。
 ルームエアコンは前年同月比31・7%増の298億8500万円だった。洗濯機は大容量の高級機種が人気を集めて同9・1%増の221億円となった。冷蔵庫は同0・3%減の311億2600万円だった。