「白物」国内増産見送り、パナソニック、想定ほど円安進まず。

「白物」国内増産見送り、パナソニック、想定ほど円安進まず。

 
 パナソニックエアコンや冷蔵庫など白物家電の国内増産を見送る。1ドル=105円を超す円安を前提に、国内生産比率を3割から最大5割に引き上げる方向で検討していた。想定ほどの円安になっていないため、海外にある設備の国内移転などの計画を凍結する。
 増産計画は今年6月に表明し、滋賀県や群馬県などの工場では新しい設備を設置する場所を確保していた。だが現状の為替相場の水準では生産を国内に移す利点が薄いと最終判断。今後は海外工場から輸入する国内向け製品や基幹部品の量を減らし、円安による輸入採算の悪化を抑える。
 白物家電事業の2013年3月期の売上高は約8500億円。約350億円の営業利益を稼ぎ、赤字のテレビ事業や半導体事業などと比べて安定した収益源だった。大半が国内向けで、対ドルで1円の円安は年間で約11億円の減益要因になる。今期は主力のエアコン取り付けが中国での販売不振に見舞われており、国内外での販売底上げが課題となっている。